RE遊牧写民

心に残った日常を一枚の写真に

言葉を吟味して表現する凄み

職場へ約30分ほど車を走らせる道程。

毎回音楽等はほとんど聴かないが

極たまにFMラジオを聴く時がある。

一部「FM横浜」が入るエリアがあるので、

ここ静岡とは違うローカルな話題が聴けて

その区間が少し楽しみだったりしている。

 

今朝、諸事情で職場へ行った。

その帰り道でうっかりオーディオに触れてしまい、

ラジオがかかってFM横浜が流れた。

「あー。今年はこのエリアでたまに聴いたっけなあ。」

などと思い、運転しながら耳を澄ませることにした。

 

 

番組のパーソナリティが

自局のアナウンサーのことを話している。

聴いてみると、

その方が毎日新聞の毎日歌壇賞(年間最優秀賞)を

受賞したというのだ。

 

へええ!そりゃ凄いな・・・

と思いながら聴いていたところ、

その谷口菜月アナウンサーが受賞したという歌を

パーソナリティが詠んで披露した。

 

 

奄美の山に 白い蛍と星が降る

 われらは「さよなら」をもつひかり』

 

 

聴きながらその情景が頭に浮かび、

悠久な時の流れや雄大な自然を感じると同時に

『われらは「さよなら」をもつひかり』という言葉に

思わず唸ってしまった。

 

雄大な自然に感じる無限と小さな有限の命との対比。

なおかつ

自分たち人間も有限の命であると表現しつつも

その命を「ひかり」と最後に体言止めで締めくくることで

その有限な命を賛歌しているようにも感じる。

また、

限りある命であることを

『さよならをもつ』と表すなんて・・・!!

 

・・・すっげええええ・・・・!

 

 

え?谷口アナウンサーって

まだお若い方だったよなあ・・・

他にどんな歌を創作されてるんだろう・・・

等々いろいろ考えてしまい、

家に帰ってから改めてこの歌をネットで拝見した。

そして再度その言葉の精度に感動・・・。

 

 

一年の締めくくりの時に

何だか凄いものを聴いてしまった。

ありがたいなあ、とちょっと感動した。

いや、結構感動した。

そんな職場からの帰路であった。

いやはや満足!

 

 

追記

失礼!谷口アナってフリーアナウンサーなんだね。

でもって短歌を始めたのは今年になってから!だって。

凄すぎ・・・!